番外地映画劇場

映画を中心とした自由なブログです。

南極大陸を除き、新型コロナウィルス感染者が続出している時に観る「復活の日」1980年【後編】【番外地日劇】


復活の日 4K Ultra HD Blu-ray

 

これを最初に見たのは、TBSのテレビ放送だった。印象としては当時の角川映画によくある、宣伝に勝てない映画というか、期待外れだった。スケールの大きさはわかるが、今一つ、どれを狙っているのかわからなかった。草刈正雄は悪くない。しかし「日本沈没」の藤岡弘の立場かもしれないが、脇役が目立ちすぎてオリビア・ハッシ―とのラブストーリーも短く、共感も感動も薄い。日本のウィルス蔓延シーン、南極基地、ホワイトハウスアメリカ大陸放浪と盛り沢山。しかもウィルスだけでも大変なのに、地震、核爆発で人類が二度死ぬ。テレビシリーズでも描き切れないような内容で、逆に言えば2時間くらいに、よくまとめたとも言える。目に見えないウィルスによる被害を発汗や顔色のメイクの表現にとどめていたり、核爆発を特撮ではなく、記録映画の流用でまとめているのも映画的に弱いように感じた。またミサイル発射阻止も一番、ハラハラさせられるべきなのに、意外とあっさり発射されてしまい、何のために南極からウィルスが蔓延したワシントンに来たのかわからないような感じだった。

 ただ、2020年3月にこの映画を見ると、前半の日本の「医療崩壊」や「自衛隊による戒厳令」風のシーンはとても他人事ではないような現実味があり怖かった。山積みの死体を火炎放射器で焼くシーンまで出てくる。そういえば、1980年という設定で、米ソの冷戦構造の描写はあるが、以下のような描写はない。

 国会議事堂、自衛隊は出てくるが、日本政府、政治家は出てこない。総理大臣も出てこない。

 映画では「イタリアかぜ」となっており、アメリカ大統領、上院議員も感染。欧米の被害状況はでてくるが、中国や中国人の被害状況は出てこない。

 SF映画だが、パソコンさえも出てこない。アメリカの博士は、タイプライターを使用。

 

 何年目かの3.11も近づいてくるが、この映画を見て、ウィルス、地震放射能の脅威が起きないよう願った。

 オリンピック中止の雰囲気もあり、経済破綻の可能性も見えそうなところに、大地震原発事故がおきたら、本当に最後が来てしまう。

 ウィルスが蔓延しているので、避難所に避難できない可能性もある。

 

 また、見る状況によって、映画の見え方も大きく違ってくると再認識させられた。

小松左京の小説のような現実が続いていく世界は、いつまで続くのか。(敬称絡)

 

【「日本沈没」のレビューも書いています。読んでください。左の記事をクリックしてください。】

 


復活の日 (角川文庫)

南極大陸を除き、新型コロナウィルス感染者が続出している時に観る「復活の日」1980年【前編】【番外地日劇】


復活の日
 アマゾンプライムビデオ

 

 

2020.3.7

このブログを書いている時の世間の状況

中国からの新型コロナウィルスの世界的な蔓延

南極大陸を除き、感染者が続出

未だ、ウィルスの全貌が不明

ワクチンもない。

日本国内だけではなく海外でも非常事態宣言

医療崩壊の可能性

 

似たようなSF映画が、昔、あったと思い、「復活の日」を思い出した。

さらに、HDDレコーダーに保存してあったことも、思い出し多数の映画から探し出して鑑賞した。数年前に放送されたBSフジの「角川映画劇場」という番組だった。

原作 小松左京 

製作 角川春樹(本人も出演) 監督 深作欣二 撮影 木村大作

 3人とも強烈なメンバーです。  

 深作作品は大好きですが、個人的には大作映画はいまいちなような気がします。撮影の木村大作作品は、「八甲田山」とか過酷な映画ばかり。

 テーマソングは当時、よくラジオで流れていたジャニス・イアン 

 主役は草刈正雄だけど、ジョージ・ケネディー、ロバート・ボーングレン・フォードチャック・コナーズ、ヘンリー・シルバと地味だけど70年代ハリウッドパニック映画のオールスターキャストみたいな雰囲気。日本の俳優だけでも緒形拳渡瀬恒彦夏八木勲、多岐川裕美が出ている。さらに出番は少ないが、深作作品なので千葉真一小林稔侍や、今や千葉県知事の森田健作まで出ている。

 役者の凄さだけではなく、本物の潜水艦や「南極物語」より前に南極ロケまでしている。

こんな映画、日本映画でなくても、やりすぎのような気もするのだが、いまでは考えられないスケールの映画だ。それで、内容が傑作ならいうことはないが・・・。

 つづく(敬称絡)

大激闘 マッドポリス’80 1980年     今では作れない。多分、一般の視聴者には受け入れられない東映製作のテレビドラマです。【番外地電波】

番外地電波 2

2020.2.3

大激闘 マッドポリス’80 1980年   

今では作れない。多分、一般の視聴者には受け入れられない東映製作のテレビドラマです。

【番外地電波】

(第一話 マフィアへの挑戦 アマゾンprime video JUNK FILM byTOEIにてネット配信)


大激闘マッドポリス'80/特命刑事 コンプリートDVD

「1980年代、日本の暴力団は幾多の内部抗争と政治との黒い癒着の末、全国統一を成し遂げ、さらに海外のマフィアと手を結び日本全土を制覇する巨大な犯罪組織を形成した。ジャパンマフィアの誕生である。警察庁はこの巨大組織の壊滅を目的とし、選りすぐりの精鋭部隊を編成、戦いを挑んだ。この部隊の唯一の目的はジャパンマフィアの壊滅であった。恐れを知らぬ彼らの行動を、組織は<MP>すなわち<マッドポリス=命知らずの警官>と呼んで恐れおののいた。」

 今の刑事ドラマでは、全く考えられない世界観です。敵はまるで、スペクターかショッカーか。現実の2020年に、ジャパンマフィアいなくて幸いです。しかし、このナレーションと「ルパン3世」の大野雄二の音楽、マッドポリス(以下MP)とジャパンマフィア(以下JM)の爆破とカーアクションによる戦闘シーン・・・スピーディーなオープニングで、視聴者を引き込みます。

 


マフィアからの挑戦

大激闘 第一話 アマゾンprime video JUNK FILM byTOEI 

 

 ただし、オープニングシーンで「第101回JM総会」のシーンがありますが、組織の大きさのわりには、テレビサイズで地味です。

 キャストは、以下のとおり。

MP渡瀬恒彦 梅宮辰夫 志賀勝 片桐竜次 中西良太 堀川まゆみ

JM島田正吾 仲谷昇 中尾彬 戦闘員多数

 警察側の外見は、ヤクザ、不良番長、または夜の帝王、ピラニア軍団、暴走族・・・さすがに男だらけのこのメンバーでは、まずいと思ったのか、クラリオンガールを配役したように見えます。渡瀬は、個人的に好きな映画「暴走パニック大激突」の銀行強盗に近い外見です。 


津島利章・深作欣二の世界 暴走パニック 大激突

 中でも、志賀勝の顔は本当に怖い。こんな刑事いるかと思いますが、冒頭、JM関係者の口を割らせるため、殴る蹴るの乱暴をします。どちらが刑事でどちらが悪役か、わかりません。暴力団より暴力的な刑事です。下のレコードジャケットも十分、怖いですが、ドラマでのへアースタイルがM字型の剃りこみになっており、もっと怖いです。


志賀勝の世界 名選集
 

 

昔、この時間帯で放送していた渡哲也の「大都会」も暴力的でした。「大都会」の石原プロモーション(旧日活スタッフ)VS「大激闘」の東映という図式、兄弟でもある渡瀬恒彦の顔を立てる対抗意識、スタッフも負けられないと思ったのか、今見ると、アクションシーンが凄く過剰に感じます。MPのメンバーも、スタントマンを使わず、爆風や炎の中で走りながらピストルを打ったりして、今のテレビドラマではやらないような演技です。しかし、もっとひどい扱いなのは、爆風に吹き飛ばされ、ジャンプするJM戦闘員のスタントマンです。当然、地面に着地用マットはありません。鬼監督、鬼アクション監督の指示で「蒲田行進曲」の階段落ち状態です。

 いくら最初が重要とは言え、第1回でこんなに過激なことをやると、第二回以降、製作するのが大変ではないかと、余計な心配をしていました。

 ただ、80年の正月映画は「撮影中にスタントマンが死亡?」と宣伝していたもっと過激な「マッドマックス」第1作があり、いろいろな背景でこのようなテレビドラマになったと推測されます。

 40年前はパワハラ、セクハラ、コンプライアンスという意識もなく、暴対法もありません。道路交通法も、今より規制が少なかったと思われます。

 今では作れないし、視聴者に受け入れられない東映製作のテレビドラマと思います。

でも、話の内容はともかくドラマ制作の熱意は伝わってくる映像です。テレビでも手抜きなしどころか、映画以上に力が入っているような感じです。

 ただ、途中からタイトルが「特命刑事」となり、「刑事くん」の桜木健一等が増員されています。事情が分からなかったので、調べてみたら、内容に苦情がきたので路線を変更したそうです。

 やっぱり、そうですか。テレビなのに映画以上に頑張り、やりすぎましたか?。

(敬称略)


海底の黄金

特命刑事 第一話 アマゾンprime video JUNK FILM byTOEI

「悪魔の弁護士 御子柴礼司~」「バビロン」「pet」 最近、続けて見ているテレビドラマ、アニメについて 2020年1月【番外地電波】


TK from 凛として時雨 × TVアニメ「pet」OPテーマ解禁PV

番外地電波 1

2020.1.22

最近、続けて見ているテレビドラマ、アニメについて 2020年1月

 ここ数年、時間に多少、余裕ができたので、それまであまり見なかったテレビドラマとかアニメも見ています。テラバイト容量のHDDレコーダーが安く手に入る時代なので、ビデオテープもいらず、コンパクトに沢山、録画できるのは助かるのですが、見る方が追いつきません。

 新番組が始まる、3か月ごとに、番組紹介やあらすじを見て、面白そうなものの初回を録画します。いまひとつ面白くなかったり、自分の感覚と合わないものは、脱落していくのですが、絶えず、ドラマ1本、アニメ1本くらいは残り、見続けています。

2020年1月 テレビ放送中で見ているのは、次の3番組です。

今回は、地上波キー局のゴールデンタイムのドラマは、ありません。

 

 


悪魔の弁護人 御子柴礼司 -贖罪の奏鳴曲- サウンド・トラック


贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)

「悪魔の弁護士 御子柴礼司 贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」(ドラマ フジテレビ系)

タイトルが長い。しかもソナタはいらないような・・・。でも、面白い。犯罪者の過去がある弁護士を演じる、冷たい演技の要潤がいいです。しかも過去の犯罪が、平成の実際の少年犯罪を連想させる残虐な犯罪です。少年法に守られ、名前を変え、弁護士として社会復帰している設定です。そういう実話のルポルタージュの本である「こころにナイフをしのばせて」の存在は知っていますが、まだ読んでいません。津田寛治の検事もいいです。検事なので主張も正しいのですが、憎まれ役の意地悪な設定です。こういう役をやらせると、今一番、うまい俳優だと思います。製作はあの大映テレビが製作しているので、内容については想像してください。この時間帯の「大人の土ドラ」は、「限界団地」「絶対正義」「リカ」とか、精神的にかなり危険な人物が出ています。原作小説は読んだことはないのですが、東海テレビの製作者はサイコスリラーが好きなのでしょうか。


心にナイフをしのばせて (文春文庫)


リカ (幻冬舎文庫)

 

 

バビロン(BS11他)


連鎖

アマゾンプライムビデオ

 


バビロン[Blu-ray BOX]


バビロン(上) (アフタヌーンKC)
「バビロン」(アニメ BS11他)


バビロン1 ―女― (講談社タイガ)

 12月は、まだ物語の途中なのに、いきなり第一話からの再放送になってしましました。昔の某ロボットアニメみたいに、製作が放送日まで、間に合わなくなってしまったのでしょうか。それまでは、東京地検特捜部の検事と警察VS東京都、神奈川県の特別行政区の若手区長、謎の女という展開でしたが、最近、再開しました。しかし、なぜか舞台は日本からアメリカに移り、主人公は考えすぎるアメリカ大統領みたいな話になりました。最新話では、サミットで先進国首脳が、ストーリーのテーマでもある自国への自殺法導入の討論をやめて、宇宙空間で善悪について論議をするという、哲学的かつ飛躍しすぎた内容で30分が終わりました。(オイオイ、大丈夫か?脱線して、話が全然、進まない。・・・と思いました。)でも、最後まで見ないとわからないので、見るのはやめません。

 

 「pet」(アニメ BS11他)


「ヤマ」の景色

アマゾンプライムビデオ

 


ペット リマスター・エディション 1 (ビームコミックス)

 他のアニメで時々、同名の舞台のCMをやっていたので、気になっていました。今のところ、人の記憶を書き換える、反社会の特殊能力者の話です。第1回の最初に、偽ドラえもんの偽どこでもドアが登場。(あちこちドアとして、その後も出てきます。)30分見て、登場人物と名前が一致せず、今一つ分からなかった部分もあるのですが、第2回を見て、第1回を見直すと、なるほどという展開で面白かったです。第3回で、このアニメの世界観がかなり理解できました。マンガは、ほとんど、読まなくなりましたが、原作は2003年のマンガだそうです。調べるまでは、最近、人気のマンガのアニメ化と思っていました。でも、この話は、マンガやアニメでこそ成立する展開と思うのですが、舞台ではどうなっているのか、少し気になります。観客は、予備知識がないと、さっぱりわからない芝居になってしまうような気がしますが、どうなんでしょう。

シネコンもレンタルビデオショップも近くにあるけど・・・<後編>

シリーズ スピンオフ プリクエル リブート ユニバース 何がなんだか・・・

 

 「ターミネーター」も新三部作をスタートして2回くらい、失敗していませんか。

 「スパイダーマン」も作りすぎですよ。マニアでないと、どれがどれだかさっぱりわかりません。マイケル・キートンにいたっては、「バードマン」で、「バットマン」風のヒーローを演じた過去のある役者のセルフパロディ―を演じ、アメリカ映画界を揶揄していたのに、新作「スパイダーマン」に出ていませんでしたか。逆にいえば、どんな役でも演じる役者精神があるのかもしれませんが・・・。

 「スターウォーズ」も30年以上かけて、ルーカスが構想した9作品が、やっと終わったような気がするのですが、「数年後には、新作を一年ごとに、「アバター」シリーズ新作と交互に公開する計画」なんてニュースを見ると、当事者でもありませんが、やめた方がいいような気がします。膨大な借金をして巨大な映画会社二社を買収したので、なんでも(「ハン・ソロ」?)早く作って、資金回収しなければという大人の事情が、見えてしまいます。

 60歳に近いトム・クルーズの「トップガン マーベリック」も、今頃、どうしてという感じで、見なくなったけれど「ミッション・インポッシブル」シリーズも作りすぎたので製作したのでしょうか。そういえば、ミイラやフランケンシュタインのダーク・ユニバース第二弾はどうなったのでしょうか。

男はつらいよ」シリーズは、渥美清が生きていたころから、個人的には、「水戸黄門」状態で俳優も監督も、もっと別の映画を作りたいのではないかと、勝手に思っていました。新作を4Kで撮影というニュースを聞いた時、天国の渥美清は、どう思っているのかと、想像してしまいました。

 

 でも、正直なところ、本当の理由は、過去に映画を見すぎて、頭の中が飽和状態になっているせいだと思います。もう一つは、自分が若くなくなり、今の映画と合わなくなったのが本当の理由と思います。今の製作者が、メインのターゲットの観客たちに向けて製作している中で、自分はそこから、すでに外れているのかなと思っています。スピルバーグとか、カンヌ映画祭netflix作品が、ネット配信中心で、映画館でほとんど公開しないこと、また公開方法がフェアでないことを、批判している記事を読んだとき、理解できる部分も多いのですが、何か時代に逆行しているような印象も受けました。あれほどのヒット作を連発していた、スピルバーグもすでに70歳を超えているので、すでに感覚が時代とずれているのかもしれません。

 まだ、利用したことはないのですが、「netfiixの作品がアカデミー賞最多ノミネート」というニュースを見ると、もしかしたら、netflixのオリジナル作品に自分好みの映画があるかもしれないと思いました。(敬称絡)

シネコンもレンタルビデオショップも近くにあるけど・・・<前編>

シネコンレンタルビデオショップも近くにあるけど・・・<前編>

2020.1.21

 しばらく、シネコンでも映画館でも、映画を見ていません。見るのは年1,2回位でしょうか。レンタルビデオショップも、会員ではありません。どちらも、徒歩で30~40分以内で行けます。多分、今までの人生の中でも映画を見るには、かなり良い環境です。でも、あまり行かなくなりました。

 それでも、これはという新作で見逃したものは、テレビのBS、CS放送やネット配信で見ています。

 昔みたいに県庁所在地や、ターミナル駅の商業地にある映画館に、電車で片道1時間位時間をかけなくても、すぐに行けますが、全然、行きません。

 どんなに忙しくても、最低、映画館で月に1本以上、映画を見ていたのは、「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リングス」シリーズの時なので、かなり前です。

 自分なりに考えるのは、こんなことでしょうか。

 ・アメコミの実写化シリーズの量産。 スピンオフで、さらに量産。

CGはすごいものの、似たような雰囲気の映画、似たような話の量産。

しかも、過去にチープなTV番組やオリジナル作品を見た記憶があるので、豪華な新作を見ると、逆に違和感を感じてしまう。→例えば昔、ボディビルダーを緑に塗って撮影していたような「超人ハルク

 ・個性的な俳優、監督の不在で大人が見る映画がなくなった。

誰でも知っている世界レベルの新しいスターや個性的な監督の不在

逆に言えば、それで観客が集まる時代が終わった。個性的な映画も同じ理由で作られなくなった。

 ・全く新しいオリジナル作品を考えるのが、むずかしいので、過去の映画や外国映画のリメイクを量産。しかし、オリジナル作品には、なかなか勝てない。

例外はオリジナル作品の監督本人がリメイクした「マッドマックス」くらい? 。同じパターンでも「エイリアン」のプリクエルは、失敗。

 ・日本映画もテレビと同じで、マンガを映画化。本当に今の若者は、こんなのを見ているのかという、やたらタイトルが長いラブコメ風の学園ものが目立つ状況。多分、企画が通りやすく、すぐに製作できるので、これも量産。

 ・媒体としては、シネコンだけでなく、テレビも電波(地上波、BS、CS)が多すぎ。一番、後発のネット配信もすでに過当競争。しかも、もともと低料金なのに加え、無料期間もある。替わりにレンタルを含めブルーレイやDVDが衰退。

 公開される場所が増えすぎて、製作本数も増えているのでしょうが、中身が薄い、見る前から飽きている錯覚になり、積極的に、見たいとは思わなくなりました。それでもシネコンはスクリーンを、テレビは放送時間を埋めなくてはならず、またネット配信は品揃え本数をそろえなくてはならないのでしょう。これにより、すさまじい供給過剰のわりには、特別にこれが見たいという気持ちが起きなくなってしまいました。多分、レンタルショップ風に言えば、大量の新作、準新作の中に、隠れた傑作が沢山あると思うのですが、辿り着きません。

 また、ネット配信も含め、これだけ便利になると、前にもまして、今見なくても、いつか別の機会に、いつでも見れるという気持ちも働くようになってしまいました。

(つづく)

その後の「日本沈没」「日本以外全部沈没」「日本沈没1999」「日本沈没2020」「任侠沈没」【番外地日劇】

番外地日劇 3

2020.1.1

その後の「日本沈没」「日本以外全部沈没」ネタばれありです。

 

 

 あまり関係ないですが、「その後の仁義なき戦い」というタイトルの映画がありました。

 

 Netflixが、東京オリンピック後の「日本沈没」を描くアニメを製作しているそうです。

その名も「日本沈没2020」

ネットで世界同時配信だから、もう新作も映画館で見る時代じゃないですね。

 阪神大震災後、大森一樹が「日本沈没1999」としてリメークすると聞いた時、前作がよかっただけに、少し不安に感じました。よくある、発表だけして制作断念というパターンなのか、しばらく忘れていたら、2007年という時代設定で、樋口真嗣監督、草薙剛主演でリメークされました。テレビで見ましたが、なんか神風特攻隊というか、「アルマゲドン」風のエンディングに違和感を感じました。しかし、一作目の刷り込みが強いので無理もありません。男女平等というか、女性が社会進出している時代の流れで、柴崎コウ阿部玲子が、レスキュー隊員?になっていたり、石坂浩二の総理は、すぐに死に、大地真央の担当大臣が活躍していました。同じ樋口真嗣が関わった「シンゴジラ」でも大杉連の総理が、途中で死ぬ設定で何か繰り返しているような気がしました。

 さらに、よせばいいのに河崎実が、便乗して「日本以外全部沈没」というB級を遥かに超えたZ級の映画を製作しました。もっと、よせばいいのに、それを見た記憶があります。

なんとブルース・ウィリスが出ているというのは嘘で、プチ・ブルースという「ダイハード」のモノマネ芸人が出ています。それはそれでいいのですが、映画版の藤岡弘とテレビ版の村野武範が出ているのは、あまり笑えず、内容もひどく、いかがなものかと思いました。でも、筒井康隆の原作も含め、作者公認(本当かな?)ということなので、逆に小松左京の心の大きさを感じさせる映画かもしれません。

 

 大地震で壊滅状態の日本で展開される、ヤクザの復讐の旅を描いた劇画「任侠沈没」は面白かったです。原作は何か、ばかばかしさを通り越した妙なオーラを感じたので、3巻購入して読みました。記憶の片隅でVシネマか何かで映像化されたような気がしたので調べました。2011年、タイミング悪く、田口トモロウ主演でVシネマ化されています。原作は、ロケットで宇宙まで行くシーンもあった記憶がありますが、どうなっているのでしょうか。劇画ならではの無茶な話ながら、スケールが大きかったような気がしたのですが、ネットの予告編だと、やっぱり低予算のB級映画の雰囲気が伝わってきてしまいました。

しばらく忘れていましたが、永井豪の「バイオレンスジャック」もこういう設定だったような・・・。Vシネマは機会があれば見ようと思います。

  

(敬称略)

 

 

 

 

日本沈没 1972年 <後編>【番外地日劇】

番外地日劇 2

2020.1.17

日本沈没 1972年 ネタばれありです。<後編>


【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没

 本題の「日本沈没」ですが、前にも書いた封切りから数か月遅れて公開される、田舎の映画館で見た記憶があります。しかも、大人だらけで満員だった印象があります。当時の興行形態から考えて二本立てだったと思うのですが、これしか見た記憶がありません。調べたら、井上順主演の「グアム島珍道中」が同時上映となっていましたが、行列をしている観客のために、同時上映をやめて、「日本沈没」だけ上映して時もあったのかなと思いました。

 内容的には、子供だったので、地学や政治的な部分など、すべて理解して見ていたとは思えないのですが、特撮のスペクタルと緊迫したストーリーで見せていくので、分かったような錯覚を残す、ある意味、「泣く子も黙らせる映画」でした。主役の航海士を、子供になじみのある「仮面ライダー」の藤岡弘が演じていたのも大きかったのかもしれません。

 小林桂樹の田所博士とD計画※1のスタッフのドラマ、政府、総理と黒幕のドラマ、小野寺といしだあゆみ阿部玲子のドラマ、日本の国土が沈没する映像・・・・。どこに比重を掛けるのも、迷うところですが、うまいバランスで約2時間にまとめています。さすが橋本忍の手に脚本です。数年前に、書店の棚に原作本のカッパノベルズ上下刊が置いてあるのを見ましたが、約800ページありました。これを2時間くらいにまとめていることを、その時、知りました。これだけのテーマの話なのに、4か月の製作期間で完成させたそうですが、業界が斜陽になりつつあったとはいえ、製作者のレベルも高かったと感じました。

 日本が沈没する過程の映像も、実際の火山噴火を撮影した記録フィルムを使用している部分もありますが、短期間であれだけの映像を作り出した特撮班もすごいと感じました。

 最近、見直して気になったのですが、地震で難民となった東京都民が、皇居に押し寄せ、警備している機動隊ともみ合うシーンがあります。また最後に皇族の移住先を総理が言うシーンがあり、無くてもいいような気がする一方、どういう意図でこういうシーンがあるのか、大人の目線で感じました。原作には何か、書いてあるのでしょうか。気になりました。

 前半に、小林桂樹の田所博士ではなく、本物の大学教授が地球の構造を長く、説明するシーンがありますが、当時、子供ながらに違和感を感じました。素人でなくて、プロの俳優で撮影したほうがよかったような気がします。ただし、説明は非常にわかりやすかったです。

 一方、昔の役者はよかったとは、あまり言いたくはないのですが、俳優の演技もうまいように感じます。自分も含め、今の時代が総じて年齢と比較し、幼稚化しているのか、日本映画も、少女マンガのラブコメの実写版みたいのが多いせいか、または、強烈な役者の個性の差が見えなくなったせいか、この映画を見ていると、逆に演技のうまさを感じます。

 変わり者の田所博士の小林佳樹も、当時は「社長漫遊記」の喜劇のイメージしかなかったのですが、役作りがうまいです。田所博士も、内閣調査室と関係があるものの、型破りな御用学者なのですが、日本沈没を討論するテレビ番組で、否定派の御用学者に殴りかかるシーンがあります。原発事故後、テレビに出ていた、原発は必要と主張し、反原発の火消しに回っていた、原子力村の学者先生を思い出しました。

 いろいろと良いシーンはあるのですが、個人的に印象的なのは、次の二つです。

 丹波哲郎の総理と島田正吾が演じる日本の黒幕が、日本民族の将来について話すシーンです。僧侶、社会学者、心理学者がまとめた三つの結論の中の一つ、

「日本が沈没する事実を前に、日本民族は何もせず、そのまま滅ぶのがよい。」という結論を、無言のまま聞いた総理の目に、涙が溜まっていくシーンがありますが、映画でなくては表現できないシーンで、日本人である観客に、その意味を自分で考えさせるシーンと思いました。

 これだけの話をどう終わらせるのかと、ハッピーエンドでは終わらないと思って見ていました。最後のシーンは、別々の国でわかれ、めぐり逢えないえない小野寺と阿部玲子、そして日本人脱出に力を尽くし、負傷して顔に包帯を巻き、片目しか見えない小野寺の顔で映画が終わります。その時の藤岡弘演じる小野寺の片目が、国土はなくなっても日本民族というか、日本人は生きていかなければならないという強いメッセージと希望を感じさせる終わり方でした。

 

 海外ドキュメンタリーも好きで、テレビで、よく見ますが、政情不安や治安の悪い国から逃げてきた難民は大変だなと、他人事として見ていました。国土を持たない民族は迫害されることも多く、最近でもニュースになっています。

 しかし、これだけ災害が多いと、日本人が難民になる可能性はないとは言えないと思いました。映画では、オーストラリアから始まり、背広ではなく人民服を着た中国政府首脳、また今では消滅したソ連まで、数千万人の日本人難民を受け入れてくれた話になっています。しかし、仮に現実になったら、資産家しか海外に逃げられないような気がします。

 そうでなくても、少子高齢化で人口減少は避けられず、映画の中で出ていた

「日本が沈没する事実を前に、日本民族は何もせず、そのまま滅ぶのがよい。」という結論は、何も決められない日本人の国民性を現わしているような気がします。日本人は無意識のうちに、この選択をしているのかもしれません。

 ちなみに自分は、こんな時代なので、少子高齢化で人口減少していくのはやむをえないと思っています。(敬称略)

※1 D計画

 日本が沈没するまでの10か月以内に、1億人以上を海外へ脱出させる計画

日本沈没 1972年 <前編>【番外地日劇】

番外地日劇 2

2020.1.17

日本沈没 1972年 ネタばれありです。<前編>


日本沈没

【クリックすると予告編が見れます。】

 

 この原稿を書き始めたころ、テレビのニュースでは「阪神大震災から25年」という話題を放送していました。

 それを見ながら生前の原作者である小松左京のことを思い出しました。小説家の枠に収まらない天才と思っていました。多分野で活躍していたイメージが強く、以前はテレビもよく出ていたのに、最近、見かけないなと感じたことがありました。「日本沈没」でも一瞬、ゲスト出演していますが、あのイメージで頭の中に残っていました。久しぶりに新聞か雑誌で見たときは、年をとったのもありますが、体調が悪いのか別人のように見えました。あとで、阪神大震災後、心の病になったとの記事を読みました。


日本沈没 上 (カッパ・ノベルス)

 この映画を見たとき、自分はまだ小学生でした。当時、すでに小説の劇画化、ラジオドラマ化が行われており、子供ながらも、大ベストセラーであることは知っていました。その時の自分は、皆もそうでしたが、読書というか、本といえばマンガばかり、さらに本を読むより、テレビばかり見ていて、活字は敬遠していました。


日本沈没 (1) ‐列島震撼‐

 マンガ週刊誌も、よく見ていました。さいとうたかをによる劇画は、週刊少年チャンピオンに連載されていました。しかし、子供だったので、登場人物のゴルゴ13風の濃い顔や、リアルな絵の雰囲気に拒否反応があったのと、何かむずかしいイメージがあり、飛ばして読んでいませんでした。(大人になったら、アレルギーはなくなり、ゴルゴ13も好きになりました。)子供に悪影響を与える低俗なギャグマンガ(ホメ言葉です。)の「がきデカ」※1とか、「恐怖新聞」※2など読んでいました。

 ラジオドラマも、何かのときに途中から聞いていた記憶があるのですが、音だけなので、やはり第一回から集中して聞かないと、何が何だかわからず、聞くのをやめた記憶があります。それでも、気になったので、今回、調べていたら、平日の夜、毎日15分づつ、全130回放送していたそうです。しかもキャストが、多分、若いころの江守徹、大地喜和子や加藤武北村和夫だったと知り、役者だけなら、実写化も可能な雰囲気と思いました。

 2011年3月の東日本大震災のとき、被災はしなかったものの、自分の人生でも未経験の出来事だったので、新聞を熟読し、テレビニュースとネットばかり見ていた時期がありました。そのとき、ネットの誰かの書き込みに、このようなことが書いてありました。

「昔、テレビでアニメの「宇宙戦艦ヤマト」とテレビシリーズの「日本沈没」を日曜日の夜に続けて、放送していたことがあったが、現実になってしまった。」

自分はリアルタイムで「宇宙戦艦ヤマト」を見ていなかったのと、テレビの「日本沈没」を見ていなかったので、あまり実感はなかったのですが、あれほどの大地震とその後の余震は、「日本沈没」を思い出し、不安を掻き立てるには十分すぎました。また、最初「宇宙戦艦ヤマト」は何を意味しているのか、すぐに気づかなったのですが、考えてみたら、宇宙人からの核攻撃を受け、放射能で汚染され、地上で生きていけなくなった人類(といっても登場人物は日本人の名前で、戦艦大和を改造して宇宙に行く設定)の話で、福島原発事故が起きた、2011年3月の日本を予言していたテレビ番組が、1974年に放送されていたことを知りました。(つづく)


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※1 がきデカ 

 クレヨンしんちゃんと同じで下半身を露出する、警官の格好した変態小学生。顔は、子供の顔ではなくおっさんの顔。しかも、「死刑」という言葉を連発。今、考えると設定が凄すぎ。子供の時に、こんなマンガを笑って、読んでいましたが、一応、まともな大人になりました。

※2恐怖新聞 

読むと中学生の主人公の寿命が縮む新聞。一日よむと、寿命が100日縮む。なんて怖い新聞でしょうか。当時、こっくりさんも流行っていました。しかも、つのだじろうの独特な画風が怖かったです。

大人になってから知ったことですが、会社倒産など苦境にあった手塚治虫の「ブラックジャック」も連載されていて、よく読んでいました。分野は違いますが、すごいマンガだらけでしたね。

ポセイドンアドベンチャー 1972年  同時上映 最後の猿の惑星 <後編>【番外地国際】

番外地国際 1

2020.1.10

ポセイドンアドベンチャー 1972年 ネタばれありです。

 同時上映 最後の猿の惑星 <後編>

 本題のポセイドンアドベンチャーですが、パニック映画の決定版です。しかも、エンターテイメント作品であり、感動作です。特撮、セットのスペクタルと人間ドラマが上手くできている映画は、これが一番だと思います。同時期に作られた、同じプロヂューサーであるアーウィン・アレンの「タワーリング・インフェルノ」もいいですが、やはり本作の方が良いです。子供ながら、当時、再放送していたアーウィン・アレン製作のテレビシリーズ「原子力潜水艦シュービュー号」を見ていました。また、公開前に、豪華客船ポセイドン号が転覆し、天井と床が逆転したパーティーの大ホールセットの撮影シーンを、テレビで放送していました。スタントマンの落下シーンが凄かった印象があります。ストーリーと映像が、ネタばれ状態でしたが、是非、見たいと思っていました。

 実際、見始めると、特撮、スペクタル、スタントは当然、すごいのですが、生きるか死ぬかの選択の連続です。生き残ったメンバーも老若男女、性格も強気の者、弱気の者、危機的状況のなかでやさしさを失わない人など人物設定もうまいです。

 それまで、自分の中では、映画の主役はハンサムでかっこいいという思い込みがあったのですが、ジーン・ハックマンとアーネスト・ボーグ・ナインのブオトコ(ホメ言葉です。いまならブサメンとでもいいますか?)のおっさん二人が、脱出方法や主導権争いで、いがみ合います。シーン・ハックマンは自分の主義を主張しすぎ、左遷された牧師で渡航中という設定です。アーネスト・ボーグ・ナインは刑事なのに、元娼婦が結婚相手で、客船で旅行中というありえないような設定ですが、最後に本当に愛妻家だったわかる泣かせるセリフがあります。アーネスト・ボーグ・ナインは、「北国の帝王」で、無賃乗車をする放浪者役のもっとブオトコ(ホメ言葉です。)のリー・マービンと殺し合いのような喧嘩する鬼車掌役をやっています。こういう、男同士のもめる役をやらせると、狂気をはらんだニヤニヤ顔がうまく、替わりの役者がいません。主役のジーン・ハックマンも負けそうです。

 また、太っていて脱出の足手まといに見えていたおばあさんのシェリー・ウインタースのエピソードは、意外であると同時に感動しました。

 大人が見る映画を、あまり見ていなかった自分が、一番、驚きたのは、結末です。一番、苦しみ、犠牲を伴いながらも、皆を引き連れてきた主役が、最後に助かりハッピーエンドと勝手に予定調和を想像していました。しかし、牧師が神に抗議しながら、犠牲となり、皆を助けるシーンは、今までこういう映画を見たことがなかったので、驚きましたが、感動しました。神頼みだけでは、助からず、自力で道を切り開いても、思うようにはならないという、重いメッセージを見せつけられたような気がしました。

 その時は、豪華客船の船名のポセイドンが神を意味していることは知りませんでした。

 その後、テレビ放送も当然、見ましたが、その時のキャンペーンのクイズが、

「最後の生存者は何人でしょう?」というもので、子供ながら、感動をぶち壊しにする、不謹慎な企画だなと思いました。

 同様の映画で、「タイタニック」もありますが、世間の高評価と比較し、自分にとってそれほど感動しないのは、本作の影響があるかもしれません。

 ジェームズ・キャメロンの「エイリアン2」を見たとき、スペースコロニー生存者の少女の誘導で主人公と海兵隊が脱出するあたり、ポセイドン号の構造に詳しい少年の設定の影響を受けたのかなと感じたました。

 いろいろ調べたり、思い出しながら、この原稿を書いていているのですが、「最後の猿の惑星」の猿を演じていたロディ・マクドウォールは、「ポセイドンアドベンチャー」の船員のボーイとして出演していたことに気づきました。しかし、猿の特殊メイクと素顔の出演で、映画の知識もなかったので、全然、意識していませんでした。不思議なところでつながっていた、二本立てでした。(敬称絡)

ポセイドンアドベンチャー 1972年 同時上映 最後の猿の惑星 <前編>【番外地国際】

番外地国際 1

2020.1.10

ポセイドンアドベンチャー 1972年 ネタばれありです。

 同時上映 最後の猿の惑星 <前編>

 本作を見たのは小学生の時で、田舎の映画館でした。しかも、封切りから数か月遅れで公開される映画館でした。今、考えてみると映画はフィルムなので大都市で公開が終わらないとフィルムの在庫がないので、田舎まで来なかったのでしょう。映画館がシネコンになり、映画がデジタルデータになった今では、遠い昔話です。そのかわりに二本立てが当たり前で、同時上映は、特撮つながりなのか、なぜか、「最後の猿の惑星」でした。猿が現代にタイムトラベルしてくるシリーズ3作目「新・猿の惑星」までは、テレビで見ていたものの、その時は、テレビ放送もなく、名画座もなく、ましてやベータマックス、VHS(もはや死語)もないので4作目「猿の惑星 征服」を見る機会がありませんでした。そんなわけで、話のつながりがわからず、仕方なく見ましたが、すごくスケールダウンした映画の印象が強かったです。背景画のマットペイントも荒く手抜きの印象があります。子供で正直だったので、人間の子供と猿の子供が学校で同席し、授業を受けているシーンに妙な違和感を感じました。しばらくして、4作目「猿の惑星・征服」を見ましたが、猿がむずかしい政治的なアジテーションしている変な映画としか思えず、最初の「猿の惑星」が衝撃の傑作だけに、2作くらいでやめておけばよかったのではないかと感じました。

 大人になってから、原作者(フランス人の作家?)は戦時中、日本軍の捕虜になった経験があり、猿は日本人の風刺みたいな記事を読みました。遠回しに日本人を猿扱いにして、馬鹿していた映画を傑作と評価していた自分に複雑な思いがしました。

 それはさておき、頭の中は、早く「ポセイドン~」が見たいという思いが膨らむばかりで、早く終わらないかなと思って見ていました。(つづく)

ゴジラ 1954年  (同時上映 ゴジラの逆襲)【番外地日劇】予告編が見れます。

 

ゴジラ 1954年

 

番外地日劇 1

2020.1.17

ゴジラ 1954年

同時上映 ゴジラの逆襲

【2本とも、画像をクリックすると予告編が見れます。ゴジラの逆襲は、最後に画像があります。】


ゴジラ

 


ゴジラ(昭和29年度作品) <東宝Blu-ray名作セレクション>

 言うまでもなく誰でも知っていて、現在も日米で作られている日本発祥の映画です。

これを最初に見たのは、テレビで小学生の時でした。カラー放送がほとんどなのに白黒の映画で古いなというのが第一印象でした。しかし当時公開されていた新作や、毎週見ていたウルトラマンとは、全然違い、大人向けの怖い映画で、特撮の作りこみが、今見ても細かく驚くばかりです。映画の製作費は誇大なことが多いのですが、当時の1億円だそうです。

 この時、映画館で公開されていた新作は、すでに「ゴジラの息子」など子供向けになったり、人間というか日本人と防衛軍(大人の事情なのか、自衛隊ではない。)の味方みたいになっていましたが、最初のゴジラは本当に強くて怖いです。

 映画の中で、「怪獣が暴れるから、また疎開しなければならない。」みたいなセリフがありましたが、子供ながらに空想の怪獣映画なのに、一体いつの話かと一瞬、思いました。少し大人になって考えてみれば、戦後10年もたっていない時に、製作されて、数年前までは占領下であったので、製作者も観客も、当時の自分とは視点が違っていたのだろうと感じました。

 原爆投下、終戦、水爆実験という背景で見ると、印象も、もっと違っていたでしょうが、まだ小学生でした。

 その後、今とは違い「オタク」という言葉もなかったので、自分の関心はアメリカ映画に移り、いつまでも、「仮面ライダー」や特撮にこだわっていると、まわりに馬鹿にされるような風潮になり、ゴジラとは、しばらくお別れしました。

 大学に入学し、上京したころは、映画三本立てで入場料が数百円の名画座が、まだ東京に沢山、ありました。キネマ旬報に出ていた池袋文芸坐は一度、行きたかったので余裕ができたときに最初に行った東京の映画館でした。その時、多分、文芸座地下で上映していたのは、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」の二本立てでした。最初にテレビで見たときから、10年くらい経過していましたが、やはりテレビとは別物との印象が大きかったです。ほぼ満員だった館内でエンドマークが流れると拍手が起きました。こういう体験はその後、何度かありましたが、自分が納得して拍手したのは、これが最初だったような気がします。そういえば円谷英二本多猪四郎の名前がスクリーンに出たときも拍手をしていた人々がいました。凄くマニアックな人が来ている雰囲気でした。

 同時上映の「ゴジラの逆襲」も見たはずですが、印象というか、内容の記憶がありません。アンギラスが出た映画という子供の時の記憶は残っているのですが、あらすじすら覚えていません。それだけ「ゴジラ」の印象が強烈だったということでしょうか。

 その後、「ゴジラ」公開前の1953年に「原子力怪獣 現る」というアメリカ映画が公開されていたのを知り、なんとなく話が似ているなと思ったこともありますが、未だにそれは見ていません。避けているわけではありませんが、見る機会がありません。いずれ見てみたいと思います。

 昭和、平成、場所を替えアメリカでリメークと続き、話題の新作ゴジラしか見に行かなくなりましたが、あまり期待しないで見に行った「シンゴジラ」を見たとき、あることを思い出しました。

 ゴジラ第一作には、原爆投下、終戦、水爆実験という背景がありましたが、「シンゴジラ」は東日本大震災福島原発事故という背景があり、第一作をリアルタイムで見た人と、背景はちがうものの、同じような心理状況で見ているような錯覚になりました。(敬称略)

 

 

 


ゴジラの逆襲


ゴジラの逆襲 <東宝Blu-ray名作セレクション>

番外地映画劇場オープン

番外地映画劇場は、実際には存在せず、筆者の脳内に存在する映画館です。

 

映画に関することを中心に、ブログを書いていきます。

自由に書きたいので、特にルールは決めませんので、脱線していくこともあるかもしれません。

 

カテゴリーとしては

1.番外地日劇 主に日本映画

2.番外地国際 主に外国映画

というような形で書きたいと思っています。

番外地電波で、テレビドラマやネット配信作品、番外地酒場では、映画を見た後の居酒屋での一人飲みのことを、書きたいと思いますが、とりあえず日劇と国際で書いていきます。

遠い昔に見た映画など、思い出して書くことも多いので、記憶違いや作品、あらすじ、俳優、その他データ等の間違いなどありましたら、大目に見てください。ブログ内は、映画人の名前も当然、出てきますが、生意気ですけど、敬称は省略させていただきます。ネタバレもありますので、ご了承ください。