番外地映画劇場

映画を中心とした自由なブログです。

ゴジラ 1954年  (同時上映 ゴジラの逆襲)【番外地日劇】予告編が見れます。

 

ゴジラ 1954年

 

番外地日劇 1

2020.1.17

ゴジラ 1954年

同時上映 ゴジラの逆襲

【2本とも、画像をクリックすると予告編が見れます。ゴジラの逆襲は、最後に画像があります。】


ゴジラ

 


ゴジラ(昭和29年度作品) <東宝Blu-ray名作セレクション>

 言うまでもなく誰でも知っていて、現在も日米で作られている日本発祥の映画です。

これを最初に見たのは、テレビで小学生の時でした。カラー放送がほとんどなのに白黒の映画で古いなというのが第一印象でした。しかし当時公開されていた新作や、毎週見ていたウルトラマンとは、全然違い、大人向けの怖い映画で、特撮の作りこみが、今見ても細かく驚くばかりです。映画の製作費は誇大なことが多いのですが、当時の1億円だそうです。

 この時、映画館で公開されていた新作は、すでに「ゴジラの息子」など子供向けになったり、人間というか日本人と防衛軍(大人の事情なのか、自衛隊ではない。)の味方みたいになっていましたが、最初のゴジラは本当に強くて怖いです。

 映画の中で、「怪獣が暴れるから、また疎開しなければならない。」みたいなセリフがありましたが、子供ながらに空想の怪獣映画なのに、一体いつの話かと一瞬、思いました。少し大人になって考えてみれば、戦後10年もたっていない時に、製作されて、数年前までは占領下であったので、製作者も観客も、当時の自分とは視点が違っていたのだろうと感じました。

 原爆投下、終戦、水爆実験という背景で見ると、印象も、もっと違っていたでしょうが、まだ小学生でした。

 その後、今とは違い「オタク」という言葉もなかったので、自分の関心はアメリカ映画に移り、いつまでも、「仮面ライダー」や特撮にこだわっていると、まわりに馬鹿にされるような風潮になり、ゴジラとは、しばらくお別れしました。

 大学に入学し、上京したころは、映画三本立てで入場料が数百円の名画座が、まだ東京に沢山、ありました。キネマ旬報に出ていた池袋文芸坐は一度、行きたかったので余裕ができたときに最初に行った東京の映画館でした。その時、多分、文芸座地下で上映していたのは、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」の二本立てでした。最初にテレビで見たときから、10年くらい経過していましたが、やはりテレビとは別物との印象が大きかったです。ほぼ満員だった館内でエンドマークが流れると拍手が起きました。こういう体験はその後、何度かありましたが、自分が納得して拍手したのは、これが最初だったような気がします。そういえば円谷英二本多猪四郎の名前がスクリーンに出たときも拍手をしていた人々がいました。凄くマニアックな人が来ている雰囲気でした。

 同時上映の「ゴジラの逆襲」も見たはずですが、印象というか、内容の記憶がありません。アンギラスが出た映画という子供の時の記憶は残っているのですが、あらすじすら覚えていません。それだけ「ゴジラ」の印象が強烈だったということでしょうか。

 その後、「ゴジラ」公開前の1953年に「原子力怪獣 現る」というアメリカ映画が公開されていたのを知り、なんとなく話が似ているなと思ったこともありますが、未だにそれは見ていません。避けているわけではありませんが、見る機会がありません。いずれ見てみたいと思います。

 昭和、平成、場所を替えアメリカでリメークと続き、話題の新作ゴジラしか見に行かなくなりましたが、あまり期待しないで見に行った「シンゴジラ」を見たとき、あることを思い出しました。

 ゴジラ第一作には、原爆投下、終戦、水爆実験という背景がありましたが、「シンゴジラ」は東日本大震災福島原発事故という背景があり、第一作をリアルタイムで見た人と、背景はちがうものの、同じような心理状況で見ているような錯覚になりました。(敬称略)

 

 

 


ゴジラの逆襲


ゴジラの逆襲 <東宝Blu-ray名作セレクション>