番外地映画劇場

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大激闘 マッドポリス’80 1980年     今では作れない。多分、一般の視聴者には受け入れられない東映製作のテレビドラマです。【番外地電波】

番外地電波 2

2020.2.3

大激闘 マッドポリス’80 1980年   

今では作れない。多分、一般の視聴者には受け入れられない東映製作のテレビドラマです。

【番外地電波】

(第一話 マフィアへの挑戦 アマゾンprime video JUNK FILM byTOEIにてネット配信)


大激闘マッドポリス'80/特命刑事 コンプリートDVD

「1980年代、日本の暴力団は幾多の内部抗争と政治との黒い癒着の末、全国統一を成し遂げ、さらに海外のマフィアと手を結び日本全土を制覇する巨大な犯罪組織を形成した。ジャパンマフィアの誕生である。警察庁はこの巨大組織の壊滅を目的とし、選りすぐりの精鋭部隊を編成、戦いを挑んだ。この部隊の唯一の目的はジャパンマフィアの壊滅であった。恐れを知らぬ彼らの行動を、組織は<MP>すなわち<マッドポリス=命知らずの警官>と呼んで恐れおののいた。」

 今の刑事ドラマでは、全く考えられない世界観です。敵はまるで、スペクターかショッカーか。現実の2020年に、ジャパンマフィアいなくて幸いです。しかし、このナレーションと「ルパン3世」の大野雄二の音楽、マッドポリス(以下MP)とジャパンマフィア(以下JM)の爆破とカーアクションによる戦闘シーン・・・スピーディーなオープニングで、視聴者を引き込みます。

 


マフィアからの挑戦

大激闘 第一話 アマゾンprime video JUNK FILM byTOEI 

 

 ただし、オープニングシーンで「第101回JM総会」のシーンがありますが、組織の大きさのわりには、テレビサイズで地味です。

 キャストは、以下のとおり。

MP渡瀬恒彦 梅宮辰夫 志賀勝 片桐竜次 中西良太 堀川まゆみ

JM島田正吾 仲谷昇 中尾彬 戦闘員多数

 警察側の外見は、ヤクザ、不良番長、または夜の帝王、ピラニア軍団、暴走族・・・さすがに男だらけのこのメンバーでは、まずいと思ったのか、クラリオンガールを配役したように見えます。渡瀬は、個人的に好きな映画「暴走パニック大激突」の銀行強盗に近い外見です。 


津島利章・深作欣二の世界 暴走パニック 大激突

 中でも、志賀勝の顔は本当に怖い。こんな刑事いるかと思いますが、冒頭、JM関係者の口を割らせるため、殴る蹴るの乱暴をします。どちらが刑事でどちらが悪役か、わかりません。暴力団より暴力的な刑事です。下のレコードジャケットも十分、怖いですが、ドラマでのへアースタイルがM字型の剃りこみになっており、もっと怖いです。


志賀勝の世界 名選集
 

 

昔、この時間帯で放送していた渡哲也の「大都会」も暴力的でした。「大都会」の石原プロモーション(旧日活スタッフ)VS「大激闘」の東映という図式、兄弟でもある渡瀬恒彦の顔を立てる対抗意識、スタッフも負けられないと思ったのか、今見ると、アクションシーンが凄く過剰に感じます。MPのメンバーも、スタントマンを使わず、爆風や炎の中で走りながらピストルを打ったりして、今のテレビドラマではやらないような演技です。しかし、もっとひどい扱いなのは、爆風に吹き飛ばされ、ジャンプするJM戦闘員のスタントマンです。当然、地面に着地用マットはありません。鬼監督、鬼アクション監督の指示で「蒲田行進曲」の階段落ち状態です。

 いくら最初が重要とは言え、第1回でこんなに過激なことをやると、第二回以降、製作するのが大変ではないかと、余計な心配をしていました。

 ただ、80年の正月映画は「撮影中にスタントマンが死亡?」と宣伝していたもっと過激な「マッドマックス」第1作があり、いろいろな背景でこのようなテレビドラマになったと推測されます。

 40年前はパワハラ、セクハラ、コンプライアンスという意識もなく、暴対法もありません。道路交通法も、今より規制が少なかったと思われます。

 今では作れないし、視聴者に受け入れられない東映製作のテレビドラマと思います。

でも、話の内容はともかくドラマ制作の熱意は伝わってくる映像です。テレビでも手抜きなしどころか、映画以上に力が入っているような感じです。

 ただ、途中からタイトルが「特命刑事」となり、「刑事くん」の桜木健一等が増員されています。事情が分からなかったので、調べてみたら、内容に苦情がきたので路線を変更したそうです。

 やっぱり、そうですか。テレビなのに映画以上に頑張り、やりすぎましたか?。

(敬称略)


海底の黄金

特命刑事 第一話 アマゾンprime video JUNK FILM byTOEI